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長期療養児の自立・コミュニティ創出支援事業「TEAMMATES」"入団会見"レポート

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2022.06.17

小学5年生の幹汰くんは、急性リンパ性白血病で長期療養中です。球団の社会貢献プロジェクト「MARINES LINKS」は、特定非営利活動法人Being ALIVE Japanが運営する「TEAMMATES(チームメイツ)」事業に参画しました。パートナー企業である株式会社リンクス・ビルドと共に、長期治療を必要とする子どもの自立支援とコミュニティ創出の支援をする、プロ野球界では初の取り組みです。

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幹汰くんの最初の活動は、ZOZOマリンスタジアムでの入団会見です。

2022年6月11日。事前のPCR検査など感染症対策を済ませ、会見の数時間前にご家族とともに到着した幹汰くんは、控室で会見の流れを確認します。同席予定の井口資仁監督とは事前にオンラインで挨拶を交わしていましたが、実際に会うのは初めて。その瞬間を想像し、時折、天を仰ぎながら緊張を口にするも、ひとりで会見の練習をする幹汰くんの姿は、周りから拍手が起きるほど素晴らしかったです。

このとき、グラウンドではマリーンズの試合前練習が行われていました。控室で緊張している幹汰くんに、球団関係者から急きょ、練習見学の提案がありました。

グラウンドに出た幹汰くんを、チームメイトである選手たちが温かく迎えます。
さっそく角中勝也選手が声をかけ、レアード選手、髙部瑛斗選手、松川虎生選手など、たくさんの選手とグータッチを交わします。間近で交流をして、ベンチに座って打撃練習を見つめた幹汰くん。会見前に訪れた大きなサプライズに、胸がいっぱいになった様子でした。
その後、ロッカールームに移動して、選手やスタッフ全員に改めて自己紹介。選手ロッカーには、背番号“10”の幹汰くん用のネームプレートも用意されています。

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そして、入団会見が始まりました。これまでも数々の選手が会見を行った場所で、井口監督と幹汰くんが対面。2人は並んで着席します。

多くの報道陣の前で、まずは井口監督が「新たな助っ人の幹汰くんです。今シーズンを共に戦っていこうということで、非常に楽しみにしています。ユニホームを着て、みんなと練習をします。一緒にがんばっていこうね」と語りかけ、幹汰くんは元気に返事をしていました。

続いて、幹汰くんへの質問です。堂々たる受け答えに、井口監督は「頼もしいですね!」と絶賛。その場にいた誰もが、新入団選手の度胸を垣間見ました。

――名前と年齢は?
「宇都宮幹汰です。10歳です」
――チームメイトからはどう呼ばれたい?
「幹汰と呼ばれたいです」
――背番号“10”の理由は?
「10歳だからです」
――楽しみにしている活動は?
「選手の球の速さやバッティングを間近で見るのがとても楽しみです」
――チャレンジしたいこと、目標は?
「速い球を投げられるようになって、バッティングもうまくなりたいです」
――今後、どのようなチームメイトになりたい?
「選手のみんなと仲良くなって、自分が頑張って応援することで、選手にやる気や元気を与えられるようなチームメイトになりたいです」

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その場で契約書にサインをして、ユニホームを着て、最後に写真撮影。たくさんのカメラマンに囲まれる幹汰くんを笑顔で見守っていたご家族に、「お父さんもベストショットを撮ってくださいね」と井口監督が呼びかけ、ご家族だけの撮影タイムをつくる場面もありました。終始笑顔あふれる温かい入団会見をもって、幹汰くんはマリーンズの“選手”となりました。

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控室に戻ると、これから使用するユニホームやヘルメット、移動用のバッグが用意されていました。もちろん他の選手とおそろいで、“10 KANTA”の名前が入っているオリジナルの用具です。これらを身につけ、次回からいよいよ本格始動します。めまぐるしい初日の活動を終えた幹汰くんは、ご家族とともに試合観戦へと向かい、チームメイトとして選手たちを応援していたのでした。

2022シーズンが終了するまで、幹汰くんはZOZOマリンスタジアムやロッテ浦和球場で活動します。その様子は今後も「MARINES LINKS」でレポートしていきますので、ぜひご覧ください。

文:長谷川美帆(千葉ロッテマリーンズ オフィシャルライター)

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